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自称歴史愛好家ーここ10年「桶狭間の戦い」について考察を続けてます。

【カーリング】速報ー吉村紗也香選手お疲れ様!ぜひまた復帰してください!

日本選手権観戦記の続きを書こうとしていると衝撃的なニュースが入ってきてしまいましたので、今回はその話をしたいと思います。
2026年6月24日ミラノ五輪代表フォルティウスのフォーススキップ
吉村紗也香選手が現役引退を発表しました。

フォルティウス吉村紗也香選手引退報告(フォルティウスオフィシャルサイトより) 【ご報告】 | NEWS | フォルティウス OFFICIAL SITE

吉村選手は北海道常呂町生まれで、同じ「常呂っ子」の吉田知那美、鈴木夕湖、小野寺佳歩選手や隣町北見市出身の藤澤五月選手と同学年で「黄金の1991年世代」と呼ばれていました。高校時代は「常呂高校カーリング部」として2009年と2010年の日本選手権に出場し、2年連続準優勝の快挙を成し遂げています。*1高校卒業後は札幌国際大学に進み、日本ジュニアカーリング選手権3連覇、2013年世界ジュニア選手権3位入賞と高校から大学まで華々しい活躍を見せ、当時は藤澤五月選手や吉田知那美選手より有望株と目されていました。
ただその後の吉村紗也香選手はどちらかと言うと「悲劇のスキップ」のイメージが強いです。彼女は大学卒業後2014年春に北海道銀行フォルティウスに加入しますが、ソチ五輪には間に合いませんでした。*2
2015年シーズンより産休に入った船山弓枝選手に変わってサード、バイススキップに入り、小笠原歩選手の元で将来のスキップとしての英才教育を受けながら次の平昌五輪を目指します。しかし2015年9月に中部電力のエース藤沢五月選手がLS北見(現ロコソラーレ)加入を発表し、最強のライバルチームが出現します。北海道銀行はオリンピック翌年の2015年には日本選手権優勝を果たしましたが、平昌五輪代表選考の対象となる2016年は3位、翌年の2017年はプレーオフで敗れて4位に終り、オリンピック代表決定戦に駒を進める事ができませんでした。*3
その後北海道銀行フォルティウスは小笠原(旧姓小野寺)歩選手が引退し、*4吉村選手をフォーススキップとして次の北京オリンピック出場を目指します。
北海道銀行は北京オリンピック代表選考の対象となる2020年日本選手権はロコソラーレに負けて3位に沈みますが、翌2021年日本選手権で念願の優勝を果たして、宿敵ロコソラーレとの北京五輪代表決定戦に進みます。*5
そして始まった代表決定戦、先に3勝したチームが北京オリンピック出場権を獲得できます。北海道銀行フォルティウスはロコソラーレに2連勝して、悲願のオリンピック出場まであと1勝に漕ぎつけます。しかしそこからロコソラーレがお得意の火事場のク〇力を発揮して

北京五輪女子日本代表決定戦(wikipediaより)

吉村紗也香選手はまたしてもオリンピック出場を逃してしまいました。
その上に更なる悲劇が彼女達を襲います。北海道銀行は次のミラノ五輪に向けて若手育成に方針を切り替えて、吉村紗也香、小野寺佳歩、近江谷杏菜、船山弓枝選手に契約打ち切りを通告したのです。
フォルティウスはオリンピック出場まであと1歩のところから、一瞬にしてチーム存続の危機に陥ってしまいました。
吉村選手達4人は話し合いの末クラブチームとして活動していくことを決意してスポンサー集めに奔走しますが、なかなか集まらず、貯金を切り崩しながらの生活が続きます。
苦労しながらも何とか「札幌柏葉会病院」や「北海道でんき保安協会」等のスポンサーを獲得し、2023年7月にはクラウドファンディングを実施して1千万円以上の資金を集め(目標は770万円)、チームを軌道に乗せる事が出来ました。
そしてフォルティウスは2025年の日本選手権を制すと、オリンピック代表決定戦*6においてタイブレークで宿敵ロコソラーレを破り、決勝で2024年度日本選手権覇者のSC軽井沢を下して日本代表の座を勝ち取りました。
しかしこの時日本はまだミラノオリンピックの出場枠を勝ち取っていませんでした。
吉村紗也香選手達は最後の関門である世界最終予選に臨みます。3月に行われた世界選手権では4勝8敗と惨敗を喫していたフォルティウスですが、オリンピックがかかったこの最終予選では世界の強豪を撃破して見事1位で通過し、今度こそ悲願のオリンピック出場を確定させました。

吉村紗也香選手はミラノ五輪が始まる前から「これが最後のオリンピックへの挑戦にしよう」と決意していたと引退発表のコメントで語っていましたので、当初から今シーズンで競技生活にピリオオドを打つことを決めていたようです。(今年の日本選手権で吉村選手の最後の姿を生で見れてホントによかったあ~)

2026年日本選手権LSD時と試合前の吉村選手←この姿を見れるのもこれが最後?

それにしてもなぜ日本の女子カーリング選手達は30代前半で次々と引退してしまうのでしょうか?カーリング選手としての全盛期は30~40代と言われており、世界を見渡せばその年代の選手たちが大活躍をしているのに。*7
これはカーリングだけに限った事ではないですが、日本の女子スポーツは世界と比べてまだまだ結婚・出産後も選手を続けれる環境が整っていないとしみじみと実感します。

吉村紗也香さんご苦労様でした!そしていつの日かまたリンクに戻って来て下さい!

*1:優勝は2年ともあの伝説の「チーム青森」でした。チーム青森は2006年から2011年まで日本選手権5連覇中でした。

*2:同期の小野寺佳歩選手は中京大学在学中の2011年に北海道銀行に加入していた為、ソチ五輪に出場し、パワーショットで有名になりました。

*3:平昌五輪代表決定戦はロコソラーレと中部電力の2チームで争われ、3勝1敗でロコソラーレが出場権を獲得しました。なお日本は2016年の世界選手権でロコソラーレが史上初の2位となっていた為、この時点で平昌オリンピック出場枠を獲得していました。

*4:正確には休養宣言ですが、小笠原歩さんはその後1度も試合に出ていません。休養宣言後は指導者の道を歩み、日本代表コーチ、JCA(日本カーリング協会)理事を歴任の上、現在は強化戦略室長として選手育成にあたっています。

*5:現在JCAのサイトでは北京五輪代表決定戦の結果が掲載されていません。JCAは最近サイトのリニューアルを実施しており、その際に2021年の代表決定戦だけ抜け落ちてしまったものと思われます。JCAさん早く気付いて復活させて~

*6:ミラノ五輪女子日本代表決定戦は2024年日本選手権優勝のSC軽井沢、2025年優勝のフォルティウスそして世界ランキング国内最上位のロコソラーレの3チームで争われました。日本選手権優勝チームが決定戦に出るのは理解できますが、世界ランキング最上位チームが出場するのは非常に違和感を感じます。もし国内の大会で負けているロコソラーレが(ロコは2025年日本選手権は3位、2024年は2次予選で敗退していました)優勝してミラノ五輪に出場したらどうなっていたでしょうか?

*7:ミラノ五輪金メダルのスェーデン、アンナハッセルボリ選手は37歳。銀メダルのスイス、アリーナペッツ選手は36歳(残念ながらスキップのシルヴァナ・ティリンツォーニ選手はオリンピック後47歳で引退を発表してしまいました)。銅メダルのドイツ、レイチェルホーマン選手は37歳です。